1つの治療法にパーフェクトな効果を望まないことです。

 

 なぜなら、すべての患者さんに効くガンの治療法は存在しないからです。

 

 これは、現時点での最もよい治療とされる標準治療にも当てはまります。有効率が80%という効果が高い標準治療であったとしても、20%の患者さんには効かないのです。

 

 たとえガイドラインですすめられている抗ガン剤でも、まったく治療しない場合と比べて、わずか数ヶ月間(あるいは数日間)しか延命効果がないことがありますし、逆に副作用で死亡するリスクもあるのです。

 

 このようにエビデンスがあるからといって、患者さんにとって必ずメリットになるとはかぎらないのです。

 

代替治療は、標準治療の効果を高めるつもりで行う

 

 一方で、代替だいたい治療(食事療法、サプリメント、運動療法、瞑想など)をエビデンスがないからと切り捨てるのもナンセンスです。エビデンスがないからまったく効かないとか、役に立たない、というわけではないからです。臨床試験で比べることが難しい食事療法でも、体力、筋力および免疫力を維持することで抗ガン剤などの副作用を軽減したり、治療の継続につながったりすることがあります。

 

 つまり、代替医療を通常のガン治療に加えることで、結果的に治療効果が高まる可能性があるのです。

 

 ですから、標準治療(手術・抗ガン剤・放射線治療)や非標準治療(代替治療)という枠組みにこだわらず、自分に合ったものを何でも取り入れる「いいとこどり」のガン治療をおすすめします。

 

 たとえば、病院での標準治療(手術や抗ガン剤治療)だけでなく、自宅で食事療法、運動療法、瞑想、ヨガなどを取り入れるといった具合です。

 

 大切なのは、病院での治療だけに頼らず、積極的に自分でできるセルフケアを追加することです。

 

 セルフケアを取り入れる1つのメリットは、「自分自身でガンを克服するぞ」という前向きな気持ちが生まれることです。また、いろいろな治療法を組み合わせることで、相乗効果があらわれることもあるのです。

 

 リスクや副作用ばかりを気にしていたら、せっかくのチャンスを逃してしまいます。ですから、受けてみたい治療法や取り入れたいセルフケアは、主治医と相談し、勇気をもって試してみてください。

 

ガンが治る人

 

 医師と前向きに話せる信頼関係を築く

 

ガンが治らない人

 

 医師と信頼関係を築けない

 

 ガンの治療を受けるとき、主治医との信頼関係は最も大切なことの1つです。なぜなら、ガンの治療には患者さんと主治医の信頼関係にもとづく共同作業が欠かせないからです。

 

 ガンを克服した患者さんの多くは主治医のことを信頼しており、よい人間関係を保っています。

 

 では、主治医と信頼関係を築くには、どうしたらいいのでしょうか?

 

 まずは、医師と話をして、できるだけコミュニケーションをとることです。

 

 どんな人間関係でもそうですが、信頼関係を築くためには何度も顔を合わせて対話を重ねることが重要です。

 

 医師との面談では、患者さんは何を話したらいいかわからず、医師からの一方通行の説明で終わることが多いものです。しかし、これではお互いの信頼関係を築くことはできません。

 

 まず患者さん自身の考えや希望、そして不安に思っていることなどを率直に伝え、対話を重ねていくことが大切です。忙しそうだから、と気兼ねする必要はありません。わからないことは積極的に質問しましょう。

 

 ただし、うまく会話をするためには、ある程度のガンの情報を患者さん自身で集め、少なくとも標準治療については理解しておく必要があります。

 

 緊張して質問する内容を忘れてしまうという患者さんは、前もって質問する項目をメモ用紙に書いて整理しておくことをおすすめします。

 

 また、外来であっても、1回で治療方針を決めてしまわずに、少なくとも2回以上足を運ぶことをおすすめします。説明を受けたその日に即答せず、いったん持ち帰って冷静に考えましょう。

 

 ガンの告知をされると、すぐに治療しないとどんどん進行していくと考える人が多いようです。しかし、実際には数日〜数週間でガンが進行して手遅れになる、ということはありません。緊急の処置が必要なときをのぞき、少なくとも1週間は落ち着いて考える余裕はあります。

 

 時間をおいて考えると、新たな疑問や質問もでてくるので、主治医とあらためて話し合いましょう。

 

 何度か顔を合わせるうちに、お互いに性格や考え方が次第にわかってきて、少しずつ信頼関係が築けるはずです。

 

医師も信頼してくれる患者さんの気持ちに応えたい

 

 また、主治医との良好な信頼関係を築くためには、患者さんが主治医に対して好意を示すことが大切です。

 

『奇跡的治癒とはなにか』(日本教文社)の著者である、外科医のバーニー・シーゲル博士は、病気から奇跡的に生還するためには、患者は主治医に対して愛情をもつことが大事で、医師を抱きしめなさい≠ニ忠告しています。

 

 これは少し大げさですが、患者さんも医師に対してできるかぎり好意を示し、「先生を信頼しています」と伝えることは大事です。